ホントニ酷いヒトだなぁと思った。それでも全然憎んでない。

ホントニ甘いヒトだなぁと思った。それでも絶対騙されない。

ホントニ酷いヒトだなぁと思った。それでも全然憎んでない。


それなのにワタシは、なんで独りで泣いてしまったんだろう。

冷たくって優しい彼が、甘く囁くソレは、酷くって、ズルくって。

ずっと左胸の痛みが消えないのは、とっくに受け容れたはず。

それなのにワタシは、なんで勝手に泣いてしまったんだろう。


ホントニ酷いヒトだなぁと思った。それでも全然憎んでない。

ホントニ甘いヒトだなぁと思った。それでも絶対騙されない。

ホントニ酷いヒトだなぁと思った。それでも全然憎んでない。


ってゆうか、マジで。

なんでワタシは、今更泣いてるんだろう、と思った。


ずっと自分の為に愛そうとしてたけど、ホントは憎かった。

それなのに初めて、全然憎んでない、って、ココロから思った。

憎めないのはワタシの甘さから。憎まれて当然なのは、ワタシのほうだ。

彼の目の前で泣きそうになったけど、やっぱりソレは出来なかった。

ホントは全然平気じゃなかった自分に気付いて、独りで泣いた。