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アフェクション。

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1時間前にはバターボールみたいな色をしてポッカリと浮かんでいた月。

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イマ、午前4時。

血の色をしている月は、ワタシの視界の斜め上。雲に隠れてチラチラと姿を現す。

バターボールみたいな月はまんまるで、あまりにも綺麗だったから、

もう1度見てみたくなって外に出た。真っ赤な月を見てドキッとした。

そして、ソレを隠してしまう真っ黒く淀んだ雲と空気がたまらなく嫌になった。

夜中とゆうのに暑さがひかない夜の、小さな、小さな出来事だ。

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そしてマタ姿を現した月は赤を際立たせて半分を雲に隠される。

息を潜めてソレを眺めて煙草に火をつける。

ふいにブラストの香りが恋しくなった。

妖しい月に導かれて記憶が戻る。

そして想うのはただひとつ。

ただひとつ。

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ちっぽけなワタシの、小さな、願い。ただ願うだけの、ちっぽけなワタシ。

ソノ視界がイマ、真っ赤に染まる。少しだけ怯えながら、でも、穏やかなココロで。

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