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『幸福。』

                                                                                                                    • -

薄暗い部屋の中。

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吐息さえも溶かし込んで仕舞って、

まるで此処だけ、時間が止まってしまったようだ。

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淡い、

カーテンが遮る朝の光。

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何も語らず、ただ手を握り、

何も語らず、ただ天井を眺める。

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穏やかなトキ。

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イツモ、イツモ、

こんな朝が続いたら。

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ずっと、ずっと、

穏やかで居られるような。

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そんな気分を分け合った。

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静かに、静かに、噛み締めて。

そっと、そっと、味わった。

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壊さないよう、そっと、静かに、大切に。

壊れないよう、じっと、密かに、ただ純粋に。

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たとえばソレが、ワタシの錯覚であっても、

ソノ瞬間は、おなじ気持ちで居られたように、イマも思う。

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だから、コレは、紛れも無い。

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真実なのだ。

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吐息までも 溶かして 仕舞って まるで 其処だけ トキが 止まったような。

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