紫陽花が好きだ。花もさることながら、名前も好きだ。コノ漢字がスキ。紫陽花。幼い日を思い出す花だ。イチバン鮮明なのは、雨の日の紫陽花と、ソレを見つめるワタシの記憶。その記憶の中での紫陽花は、淡い水色と、青みがかった紫の花を咲かせてて。ソレに降る雨が綺麗で仕方なかった。記憶の中で実際より美化された想い出は、コノ季節になると必ず切なさを連れてくる。グッと込み上げる。今年は全国で、紫陽花が咲くのが遅れてるらしい。それでも思い出すのは綺麗な梅雨の午後。時間に焦るコトも無かった幼い日の自分を、夢のようにみる。時間が経つにつれて、鮮やかになる。作られていく記憶。これからも大切にしていきたい記憶の中の紫陽花が好きだ。何色にも花を咲かせられて、雨に降られて水滴を受けるとマタ色を変化させる紫陽花が、好きだ。きっと、今年もソレに魅せられる。